今週のトルコリラはどう動いたか

トルコリラの週間の値動きを解説します

2019年10月第五週

為替相場の地合いに押されて上昇トレンドに転じたトルコリラでしたが、19円台回復後は戻り待ちの売りに押されて、再び18円台にまで押し戻されました。29日に米下院でトルコに対しての制裁を行う法案可決で、一時的に下げましたが、再び上昇に転じる強いトルコリラでした。しかしその後は全般的なリスクオフで上昇後は下げに転じました。ただアメリカの雇用統計が良かったから、リスクオフムードが縮小して、トルコリラも再度上昇してきています。

 米下院でトルコに対しての制裁を行う法案が可決

 29日に米下院でトルコに対して制裁を行う法案が可決しました。さらにオスマントルコの時代にアルメニア人を大量虐殺したと認定する決議案まで可決と、トルコ政府に対して批判的な動きが強まっています。ただこれらは下院で可決しただけで、上院で審議すら始まっていません。だから実際に制裁が行われるかわからなくて、為替相場では一時的な動きになりました。たとえ審議が始まって上院でも可決した場合は、トランプ大統領が拒否権を発動して、議会に差し戻すという段取りで、実際に制裁が行われる前にトルコ軍が軍事作戦を終了して、シリアから撤退してしまった後になる可能性が高く、法案は無視していいレベルです。実際市場関係者たちはもう他の方を見ています。

リスクオンになりながらも上値の重い展開に

 11月1日のアメリカの雇用統計で、雇用者数が予想を上回って、米ドルが買われました。トルコリラも主要通貨に引っ張られるように上昇しましたが、19円台には戻り待ちの売りがあって、18円台に押し戻されました。相場の地合いが良いから、下値には買いが入りますが、依然上値には売り圧力があって19円台に回復しても長くいられない城チアが続いています。

来週はどう動くか?

来週のトルコリラは、4日に消費者物価指数の発表があって、数字が悪ければインフレを抑えるためにトルコ中銀が利上げに踏み切るかもしれないと、思えてきますがエルドアン大統領の圧力でそのようなことは無く、数字が悪ければトルコ経済の悪化が予測されて、トルコリラが売られることになりそうです。ただ地合いが良くて下げても小幅にとどまり,18円台は維持する値動きになりそうです。予想レンジとしては18円30銭~19円10銭の間と予想します。