今週のトルコリラはどう動いたか

トルコリラの週間の値動きを解説します

2019年9月第一週

今週のトルコリラ為替相場に引っ張られるように上昇しました。2日に発表された 第2四半期GDP(前年比)は予想より良かったのが後押しになって、為替レートを押し上げました。ただ普段の上げ幅に比べるとしょぼいので、19円台の回復までには至りませんでした。

 

第2四半期GDP(前年比)はマイナスですが予想よりも良かった

2日に発表された第2四半期GDP(前年比)は、-1.5%とマイナスですが予想の-2.0%よりも良く、トルコ経済が好調とは言えませんが、改善の兆しを見せていると市場関係者には思われて、トルコリラが買われました。3日に発表された8月消費者物価指数(CPI)は前期比前年比とも予想よりも低くて、インフレの鎮静化が進んでいることが伺えます。 ただトルコのエルドアン大統領には、GDPのマイナスは受け入れがたい数字で、経済が悪化しているのは過剰な高金利が原因と、トルコ中銀に大きな利下げを要求するのは確実です。独立性を失ったトルコ中銀が、エルドアン大統領の圧力に屈して利下げをするのは確実で、12日の政策金利発表は利下げによる為替レートの下げを覚悟しておくべきです。

為替相場の地合いがトルコリラを押し上げた

 8月26日に底を打って上昇に転じたトルコリラは、為替相場の勢いに流されるように上昇を加速させます。第2四半期GDP(前年比)の発表があり、予想より良かったということでトルコリラの上げを下支えします。ただ他の主要通貨がずっと右肩上がりなのに、トルコリラは時間足ではレンジ相場と、地合いが良くてもトルコリラのリスクが高いから買いが集まらないと、まだ市場関係者たちにはトルコリラは高リスクの通貨と認識されています。それゆえ為替相場が下げに転じれば、トルコリラは他通貨に比べて大きく下げる可能性があります。

来週は政策金利発表

来週のトルコリラはどう動くかは為替相場次第といったところですが、来週は12日に政策金利発表があって、そこで大きな動きがあるとみられます。前回は、利下げながらも逆に好感されてトルコリラは買われましたが、今回はタイミング的に下げ相場の時に発表される可能性が高く、下げを加速させる恐れがあります。チャート的には18円70銭台で頭を押さえられていますから、上値が限定的で、利下げで18円を割る可能性があります。為替相場の地合いで押上げを期待したいところですが、ポンドが下げて、米ドルも雇用統計の弱さから利下げ観測が出てきていて、主要通貨は軒並み下げる可能性が高く、為替相場の方も期待できないでしょう。予想レンジとしては17円90銭~18円80銭と予測してみます。