今週のトルコリラはどう動いたか

トルコリラの週間の値動きを解説します

2019年12月第五週

今週のトルコリラは、年末に向けてのポジション調整が進んでいたおかげで、昨年のようなフラッシュクラッシュが起きずに終わりました。しかし、中東情勢の悪化でトルコリラが継続して売られる事態になりました。

 

アメリカがイランの軍事司令官を殺害

 

3日未明、アメリカがイラクのバクダット国際空港付近で、イランの革命防衛隊のソレイマム司令官をドローンによるミサイル攻撃で暗殺したと報道。これによりアメリカとイランが戦争状態になるのではとの思惑で、主要通貨が軒並み円に対して売られました。トルコリラも同じように売られて。18円付近まで値下がりしました。ただすぐには戦争にならないので売り一巡後は様子見の売買になっています。

 

アメリカとイランは戦争にならない

 

アメリカはイラク戦争で勝利したとはいえ、多大な犠牲を出して逆にイランを助ける形になり、イラク戦争は事実上の失敗でした。その後のオバマ政権でのシリアへの攻撃を止めたのも、このイラク戦争での失敗が影響しています。トランプ政権になってシリアへのミサイル攻撃や、イラクからのシリア領内への侵入はありますが、本格的な戦争は仕掛けようとはしていません。イランへのミサイル攻撃も無意味だと判断してやめていますから、戦争まで行かないと考えていいでしょう。今回のドローンからのミサイル攻撃はあくまでもけん制の意味で、本格的な武力攻撃は行う気はないとの態度です。

 

トルコリラは下げる材料が多い

 

来週のトルコリラの動きですが、18円台を維持できないと思っていた方がいいでしょう。中東情勢の悪化で原油価格が上昇中で、原油高がトルコ経済を悪化させることが確実で、トルコはイランを支援するから、アメリカからの制裁が行われやすく、リビア派兵も決まりますから、悪材料だらけで売りが入りやすい状況です。悪材料が出尽くすまでトルコリラの買いは見送るべきです。来週の予想レンジは17円70銭~18円30銭と予想します。