今週のトルコリラはどう動いたか

トルコリラの週間の値動きを解説します

2020年1月第一週

アメリカとイランの戦争が始まって、18円を割るかと思われたトルコリラ円ですが、イランからの報復が小規模に留まり、アメリカとイランが戦争状態にならないとわかり急速に円安に転じました。9日には18円60銭台を回復し、19円台を目指す状態になっています。

 

イランからの報復が小規模な理由

 

戦争を期待した人にはがっかりしたイランの攻撃ですが、自分的にはイラクの基地が攻撃されるのは予想通りでした。しかしドローンを使わなかったのはがっかりです。単純にイラク国内に爆弾を積めるような大きなドローンを持ち込めなかったのが、理由の一つです。それでも大規模なロケット弾攻撃はできたわけで、それすらできなかったのは、経済制裁で資金不足のイランには大量のロケット弾を確保できなくて、あえて腰が引けた攻撃になりました。

 

アメリカもイランも戦争は望んでいない

 

イラクの基地攻撃でアメリカが報復を行わなかった理由ですが、報復をしてもイランが降参するわけもなく、逆に報復をしない方が、イランが自制すると判断して、アメリカは報復をしませんでした。アメリカもイランも軍事費の増大は避けたいところで、両者の思惑が一致しての停戦でした。

 

トルコにはやばい流れ

 

アメリカとイランの争いが収まって急騰し始めたトルコリラですが、今度はリビアでトルコはロシアと対立する流れができていて、トルコリラが反転して下げる可能性が出てきました。トルコはリビアの暫定政府側を支援し、ロシアは反政府組織側を支援しての代理戦争状態になっています。ロシアが本格的に反政府側を支援して、トルコが泥沼状態に陥る可能性が高くなっています。アメリカはトルコを助けませんから、リビア派兵でトルコリラが今後下げる可能性が大きいです。

 

来週はどう動くか?

 

来週のトルコリラは、16日にトルコ中銀の政策金利発表があり、今度こそ金利が10%を割りそうです。リビア派兵がすんなり決まるほどエルドアン大統領の権限が強く、中銀も圧力で利下げをするのは確実で、大統領の要望通り金利を一桁にするのではないかと思われます。過去の利下げでも上昇しているトルコリラですが、今度は下げる可能性もあり、どう動くか予想しづらいです。予想レンジとしては18円10銭~19円10銭と予想してみます。