今週のトルコリラはどう動いたか

トルコリラの週間の値動きを解説します

2019年12月第三週

今週のトルコリラは、まともな状態になってきたという感じです。高金利という魅力で買われていた通貨が、利下げをしても下がらず経済的に魅力ができたのかと言えばそうでもない状態でしたから、下がらないのがおかしいくらいでした。ただ下がってきたのは利下げの影響というよりも国外の情勢が悪化してきたからです。

 

トルコがアメリカの制裁に対抗処置を発表

 

15日にトルコのエルドアン大統領が、アメリカの制裁やオスマントルコ時代のアルメニア人殺害事件を虐殺認定する決議案に対抗して、トルコのインジルリク空軍基地を閉鎖する可能性があると発言。さらに必要とあればゴルジュク海軍基地の閉鎖もするとのことで、アメリカとの関係悪化がひどくなってきました。これに対してアメリカ側は、エスパー国防長官がNATOはトルコとの同盟関係を見直す必要があると逆にトルコを脅してきました。トルコは一応ロシアと仲良くしていますが、ロシアと関係が悪化した場合、トルコ1国でロシアと戦うことになり、トルコには困ったことになります。

 

制裁が現実化してきてトルコリラは下げ基調

 

トルコの反発でアメリカの制裁が実際に行われる可能性が高くなり、トルコ経済の悪化を予想してのトルコリラ売りが出て、トルコリラ円は18円50銭を割り込むほど売られます。19日にトルコ銀行調整監視機構(BDDK)がトルコの国内の金融機関に対して、非居住者と行う期間7日以内での為替スワップ取引自己資本の10%までと制限する通達をして、トルコリラが売られました。このスワップは交換という意味で、FXのスワップポイントとは意味合いが違ってきます。非居住者がトルコリラの売りを増やせないよう規制したのですが、却ってトルコリラが扱いづらくなり売りを誘う結果になりました。

 

来週はどう動くか

 

来週のトルコリラは、経済指標が無くアメリカの動向次第ですが、もう年末で制裁は今年中に行われそうになく週足のボリンジャーバンドは横ばいだから、下げても18円20銭台で止まりそうです。予想レンジとしては18円20銭~18円80銭を予想します。