今週のトルコリラはどう動いたか

トルコリラの週間の値動きを解説します

2019年10月第四週

今週は政策金利発表があったのですが、今までと違って発表後に大きく上昇しないで、いつもの値動きに戻りました。もはや利下げ打ち止め感は無く、市場関係者にはトルコリラを積極的に買う気が無くなってきたと感じられます。一方シリア情勢ですがロシアの介入で、トルコの軍事作戦が確実に停止しそうで、軍事面においてトルコリラを売る材料もなくなり、大きく下げる可能性が無くなっています。

トルコ軍とクルド人勢力が衝突

20日にシリア北部に駐留するトルコ軍に対して、クルド人勢力が攻撃を加え、兵士一人が死亡し、停戦合意が破られてトルコ軍が再度軍事作戦を展開する可能性が出てきました。しかし双方ともその後は自制して軍事作戦は展開されず、トルコリラも地合いに押されるまま上昇しました。

ロシア介入で軍事作戦が完全に停止へ

ロシア憲兵隊が23日にシリア北部に展開して、クルド人民兵組織にシリア北部の国境地帯から退去を要請、クルド人人民部隊が退去後の安全地帯をロシア憲兵隊とトルコ軍が監視することになり、トルコ軍の軍事作戦再開がロシアの介入でほぼ無くなりました。これによってシリア情勢がらみはひとまず収束して、トルコリラの動向は政策金利へと移りました。トルコリラは市場の地合いに押されて19円を目指す流れから下げに転じました。

 政策金利は14%

24日に注目の政策金利がトルコ中銀から発表され、予想では1%下げの15.5%だったけど、それを上回る14.0%でした。これを受けてトルコリラは下がりましたが、前々回からの利下げの上昇期待の買いも入ってトルコリラは下げ渋り、大きく下げませんでした。しかし前日から買われていたせいか利下げ後の上昇も乏しく、陰線で引けて翌日も下げて終わりました。もうトルコリラは利下げの打ち止めが期待されず、利下げによるインフレ率の悪化で経済の悪化が予想される流れになっています。

来週のトルコリラはどうなるかを予想

来週のトルコリラは、軍事作戦終了でもうシリア情勢は話題にならず、重要な経済発表もないから、主要通貨の動きに合わせた変動になりそうです。積極的にトルコリラを買いも売りもなく狭いレンジでの変動になるでしょう。予想レンジとしては、18円40銭~19円の間を予想します。