今週のトルコリラはどう動いたか

トルコリラの週間の値動きを解説します

2019年10月第三週

今回は大きなイベントが二つあったのですが、あまり目立たずいつもの変動と思える相場でした。二つのイベントは、アメリカがトルコの軍事行動に対して経済制裁を発表したのと、軍事作戦を5日間停止するとトルコが側が発表の二つです。軍事作戦停止は、アメリカとの交渉で決まりまして、軍事作戦停止で経済制裁を取りやめるとのことでトルコリラは好感されて買われました。

愚か者になるな

14日にアメリカがトルコに経済制裁を発表、当然トルコのエルドアン大統領がアメリカの経済制裁に屈しないと抵抗し、アメリカのトランプ大統領エルドアン大統領に「愚か者になるな」と親書を送って、軍事作戦を停止すれば経済制裁を止める意思を伝え、その後交渉で軍事作戦が5日間停止されることになりました。停戦中にクルド人を目的地から避難させて、犠牲者を出さずにトルコ側の目的を達成させる作戦です。

シリア政府軍とクルド人勢力が共闘してトルコに対する展開に

シリアのアサド政権はシリア北東部に軍隊を展開させて、トルコ軍に対抗。さらにクルド人勢力がシリア軍と協力してトルコ軍と対決することになって、シリアとの話し合いは何だったのかという感じになっています。エルドアン大統領は前からトルコ側に難民が流れてこないように、シリア側に緩衝地帯を作って、そこに難民を押しとどめることを考えていて、難民問題が片付けば後は国内と、シリアと争う気はなくシリアから撤兵する気です。シリア側もトルコと戦う気はなく領土に入ってこなければ問題ないといったところです。

経済制裁の影響が小さかった理由

14日にアメリカがトルコに対して経済制裁をすると発表されましたが、ニュースが出たときは下げましたが、さほど大きく下げず円安の流れでトルコリラは大きく下げずに、翌日から買われました。予想外の経済制裁ですが、軍事行動後で経済制裁はすでに織り込まれていて、為替レートに対する影響が小さくなっていました。

軍事作戦停止も大したことが無く

17日にトルコ軍の軍事作戦がアメリカとの協議で停止になり、それに合わせて経済制裁も見送りになったのでトルコリラが急伸しました。しかし経済制裁での下げも大したことが無かったため、すでに上昇に転じていた分、さほど大きく上げませんでした。軍事作戦停止でトルコ軍が撤退にまで至っていないため、それほど大きな材料にはならず、19円台回復までには至りませんでした。

来週は政策金利発表

来週は24日にトルコ中銀から政策金利発表がありまして、利下げは確実ですが、どれだけ利下げをするのか?また利下げ後に上昇があるのか?わからないこと尽くしで予想レンジはとても読みづらいです。予想レンジとしては18円30銭~19円20銭と予想してみます。