今週のトルコリラはどう動いたか

トルコリラの週間の値動きを解説します

2019年9月第二週

トルコリラ政策金利の引き下げは予想通りだったのですが、上昇は予想外でした。前回は利下げの打ち止め感から買われたということですから、利下げが打ち止めじゃないとわかった以上下がるはずなのに、逆に上昇しています。市場的にはアメリカが利下げをしそうでEUQE再開で想定的にトルコの高金利がまだ魅力的だということでしょうか。

9日にムニューシン財務長官がトルコへの制裁を検討と

9日にムニューシン財務長官がトルコへの制裁を検討と記者団に語ったということですが、制裁内容はまだ検討中だそうです。トルコがロシアから地対空ミサイルS400を購入したことに対して、米下院外交委員会がトランプ政権にトルコに制裁を科すように求めていて、それに応じての発言ですが、トランプ大統領としては制裁には消極的です。イラン、北朝鮮、中国と強硬な態度を取ってきましたが、ここずっと態度を軟化していて、どの国に対しても制裁が消極的になっています。ムニューシン財務長官が検討して制裁を考えてもトランプ大統領が実行させない可能性が高く、まだしばらく制裁は無いと思っていいでしょう。

政策金利引き下げでトルコリラが上昇

12日のトルコ中央銀行政策金利発表は、予想の2%引き下げの17.25%よりもさらに低い16.5%でした。これを受けてトルコリラは急伸、19円台を回復しました。引き下げは大方の予想通りでしたが、思ったほどトルコリラが下げないところで、材料出尽くしということで仕掛けが入り、トルコリラが大きく買われました。ただ大きく上昇してこれ以上の買いが入りづらく、時間が経った後徐々に下げ始めました。利下げは3.25%と前回の4.25%よりも下げ幅が小さいけど、比率的には前回と同じ6分の1ぐらいで、率的には攻めています。次の政策金利発表は10月24日と、それまでにトルコ情勢がどうなるかが気になるところです。リラ安なら利下げを止める可能性も出てきますが、利下げを止めるほどリラ安になる材料もなく、次の利下げは6分の1だから13.75%を予想します。

来週の予測と予想レンジ

来週のトルコリラは上げ過ぎの反動で一時的に下げますが、トレンド的には上昇トレンドなので、前回の高値19円68銭を目指していくと思います。ただ他の主要通貨の勢いがなく、下げに転じればトルコリラもつられて下げるので、いつまで上昇トレンドを続けられるかわからない感じです。

予想レンジは18円20銭~19円60銭と予想します。